WHYOCEANS “Inmost Dens Of Emilie”
WHYOCEANS “Inmost Dens Of Emilie”
販売価格: 2,100円(税込)
商品詳細
君が僕ではなく君であり
僕が君ではなく僕たらしめているものは なに
無二 それはありえるか
声は届いているか
姿は見えているか
無感情に蠢く顔のない人々は問いかけに応じない
拠り所を失って崩れ落ちるように海へと飛び込んだ
海面を隔てて広がる別世界
青く青く透明に染まっていく
深く深く沈み込むほどに上昇してゆく
たどり着いたのは暖かで懐かしい空間
子宮の壁に守られて騒音は届かない
羊水のゆりかごにたゆたう僕に不安はない
時の流れは逆行して生命の起源まで運ばれる
打ち捨てられていた記憶が甦る
傷つき荒廃した魂 遠く散り散りになった僕らは
この光るさざ波 青海波のごとき音の海を介して
またひとつに繋がる
それぞれが多様なジャンルを嗜好するメンバーの集合体だが、共通項はPINK FLOYDというマカオ初にして唯一(2017年現在)のシネマティック・ポストロック・バンド、WhyOceans。
マカオのみならず、香港、台湾、中国大陸に衝撃を与えたデビュー作『At Land』から約6年の歳月を経て発表されたのがこのセカンド・アルバム『Inmost Dens Of Emilie』。
シンセサイザーを多用していた前作とは一変。より穏やかで自然な音作りを図り、グランド・ピアノを主軸にストリングス(ヴァイオリン、チェロ)、フルート等の管楽器といったアコースティック楽器を導入。このポストクラシカルとも言える要素は、お定まりのポストロックを超え、さらに心緒に作用するような瑞々しさと純真さを生み出すことに成功。滾々と湧き続ける想像力豊かな音の波が聴き手一人ひとりに最も安らげるそれぞれの情景を描き伝えてくれるのだ。
前作『At Land』では夢や幻想的要素が強かったが、今作では実社会における現代的な生活の生み出す歪みと憂い。さらには、今までとは違う目新しい事柄を探し求める姿。長旅(それは心の深層部への旅でもある!)の末、あちらこちらを彷徨って最終的に悟りたどり着く安堵の場所は身近にあったのだと気づく。けれども時既に遅く、それはすでに以前の様相を呈してはいない……という悲哀の物語がテーマとなっている。これをほぼ言葉を用いずに表現していくことで音本来の、そしてそこに込められた本然の心像が人種や言葉の隔たりなくあらゆる人々に届くのである。
WhyOceans。その海はより深く、より多くの感情を湛えて乾いた大地に広がり始めた。以前とは異なる何か新しいものが誕生する、その羽化寸前の瞬間が本作では捉えられている。
「Another Wind」
幕を開けるのは、たおやかなピアノとストリングスの調べ。それは世界を駆け巡り新たな物語を伝え運ぶ風。目を閉じ、その風を受け入れれば新たな世界へと旅立つ準備は整う。
「Transparent People」
共に多くの時間を過ごしている仲間と自分は本当に互いを理解しているだろうか。交わす笑顔や会話も見せかけだけの上滑りなのかもしれない。目の前にいるのに互いが見えていない。きっと僕らは透明な存在なんだ。海に飛び込み包まれよう。現実の世界から身を隠す為に。
「Inmost Dens Of Emilie Part I」
好奇心旺盛なEmilieは未だ出会ったことのない新しい感覚や雰囲気といったものを探し求める為、故郷を離れて旅に出る。様々な土地を巡り見聞きして人々と出会いと別れを繰り返すうちに、外へ外へと向かう旅は次第に自分の心の奥底へと向かい始めた。そしてある日、彼女はふと気づくのだ……
「Farewell To My Urban Life」
必要最低限の生活を維持する為だけに身を粉にして働く日々。都会の喧噪を縫うように家路につき、そのままベッドに潜り込む。なんとかしてこんな毎日とは訣別しなくては。抜け出すんだ。
「Chasing Palace」
何処かに存在すると風の噂に聞いた荘厳かつオリエンタルな宮殿。ただそこに鎮座しているだけで迫ってくるかのような風格。けれども、今は忘れ去れ、威厳を築いてきた数多の戦いによる悲劇が染み付き漂う悲哀と孤独。後半を締め括るフルートの旋律がそれを物語っている。例えそれがただの幻影だったとしても君は見つけられるだろう。
「Inmost Dens Of Emilie Part II」
……数年の旅を経てEmilieは気がついた。最も愛すべき感覚や雰囲気、環境といったものは自分の生まれ育った町にあったのだと。けれども帰郷した彼女が見た光景、風景、雰囲気、感覚、感触は以前とはすっかり変わってしまっていた。人々も、慣れ親しんだ感覚もすでにそこにはなかった。望んでいたものは何も特別じゃない。暖かな陽の光が差し込む窓際でスケッチを楽しむような穏やかな生活。それでいい。
奇をてらったフレーズや特段複雑なリズムを使用しない代わりに、どこか遠い記憶から聞こえてくるような馴染みのある憂いに満ちた旋律の数々。その響きは、現状の有様に疑念を持ち綿のように疲れた身体と心にすんなりと入り込み溶け合ってゆく。その心地良さたるや!
母なる海、WhyOceansはなんぴとたりとも拒みはしない。そこは人類の避難場所であり、再出発のためのカタルシスを得る共有空間。
窓を開けて風を呼び込んでみよう
その風に乗って海に飛び込むんだ
きっとまだ間に合うはずだから
2017年のポストロック界注目アルバムはアジア圏から、それもマカオからの登場となった。プログレ・ファンにも是非試してみて頂きたい。
マスタリングを手掛けたのはその手の音作りには定評があるMagnus Lindberg(EF、PG.LOST、ALCEST、A SWARM OF THE SUN、CULT OF LUNA等)。
アジアのバンドの音源が聴けるネットラジオ
「Cinta KecilのASIAN ROCK RISING vol.89」にて「Transparent People」を紹介。
YouTubeでの視聴は こちら。
2017年発表
特殊紙パッケージ
収録曲
01.Another Wind 4:17
02.Transparent People 10:20
03.Inmost Dens Of Emilie Part I 10:34
04.Farewell To My Urban Life 7:22
05.Chasing Palace 9:14
06.Inmost Dens Of Emilie Part II 10:12
「Farewell To My Urban Life」以外はインストゥルメンタル。
サンプル動画は「Farewell To My Urban Life」のPV。
僕が君ではなく僕たらしめているものは なに
無二 それはありえるか
声は届いているか
姿は見えているか
無感情に蠢く顔のない人々は問いかけに応じない
拠り所を失って崩れ落ちるように海へと飛び込んだ
海面を隔てて広がる別世界
青く青く透明に染まっていく
深く深く沈み込むほどに上昇してゆく
たどり着いたのは暖かで懐かしい空間
子宮の壁に守られて騒音は届かない
羊水のゆりかごにたゆたう僕に不安はない
時の流れは逆行して生命の起源まで運ばれる
打ち捨てられていた記憶が甦る
傷つき荒廃した魂 遠く散り散りになった僕らは
この光るさざ波 青海波のごとき音の海を介して
またひとつに繋がる
それぞれが多様なジャンルを嗜好するメンバーの集合体だが、共通項はPINK FLOYDというマカオ初にして唯一(2017年現在)のシネマティック・ポストロック・バンド、WhyOceans。
マカオのみならず、香港、台湾、中国大陸に衝撃を与えたデビュー作『At Land』から約6年の歳月を経て発表されたのがこのセカンド・アルバム『Inmost Dens Of Emilie』。
シンセサイザーを多用していた前作とは一変。より穏やかで自然な音作りを図り、グランド・ピアノを主軸にストリングス(ヴァイオリン、チェロ)、フルート等の管楽器といったアコースティック楽器を導入。このポストクラシカルとも言える要素は、お定まりのポストロックを超え、さらに心緒に作用するような瑞々しさと純真さを生み出すことに成功。滾々と湧き続ける想像力豊かな音の波が聴き手一人ひとりに最も安らげるそれぞれの情景を描き伝えてくれるのだ。
前作『At Land』では夢や幻想的要素が強かったが、今作では実社会における現代的な生活の生み出す歪みと憂い。さらには、今までとは違う目新しい事柄を探し求める姿。長旅(それは心の深層部への旅でもある!)の末、あちらこちらを彷徨って最終的に悟りたどり着く安堵の場所は身近にあったのだと気づく。けれども時既に遅く、それはすでに以前の様相を呈してはいない……という悲哀の物語がテーマとなっている。これをほぼ言葉を用いずに表現していくことで音本来の、そしてそこに込められた本然の心像が人種や言葉の隔たりなくあらゆる人々に届くのである。
WhyOceans。その海はより深く、より多くの感情を湛えて乾いた大地に広がり始めた。以前とは異なる何か新しいものが誕生する、その羽化寸前の瞬間が本作では捉えられている。
「Another Wind」
幕を開けるのは、たおやかなピアノとストリングスの調べ。それは世界を駆け巡り新たな物語を伝え運ぶ風。目を閉じ、その風を受け入れれば新たな世界へと旅立つ準備は整う。
「Transparent People」
共に多くの時間を過ごしている仲間と自分は本当に互いを理解しているだろうか。交わす笑顔や会話も見せかけだけの上滑りなのかもしれない。目の前にいるのに互いが見えていない。きっと僕らは透明な存在なんだ。海に飛び込み包まれよう。現実の世界から身を隠す為に。
「Inmost Dens Of Emilie Part I」
好奇心旺盛なEmilieは未だ出会ったことのない新しい感覚や雰囲気といったものを探し求める為、故郷を離れて旅に出る。様々な土地を巡り見聞きして人々と出会いと別れを繰り返すうちに、外へ外へと向かう旅は次第に自分の心の奥底へと向かい始めた。そしてある日、彼女はふと気づくのだ……
「Farewell To My Urban Life」
必要最低限の生活を維持する為だけに身を粉にして働く日々。都会の喧噪を縫うように家路につき、そのままベッドに潜り込む。なんとかしてこんな毎日とは訣別しなくては。抜け出すんだ。
「Chasing Palace」
何処かに存在すると風の噂に聞いた荘厳かつオリエンタルな宮殿。ただそこに鎮座しているだけで迫ってくるかのような風格。けれども、今は忘れ去れ、威厳を築いてきた数多の戦いによる悲劇が染み付き漂う悲哀と孤独。後半を締め括るフルートの旋律がそれを物語っている。例えそれがただの幻影だったとしても君は見つけられるだろう。
「Inmost Dens Of Emilie Part II」
……数年の旅を経てEmilieは気がついた。最も愛すべき感覚や雰囲気、環境といったものは自分の生まれ育った町にあったのだと。けれども帰郷した彼女が見た光景、風景、雰囲気、感覚、感触は以前とはすっかり変わってしまっていた。人々も、慣れ親しんだ感覚もすでにそこにはなかった。望んでいたものは何も特別じゃない。暖かな陽の光が差し込む窓際でスケッチを楽しむような穏やかな生活。それでいい。
奇をてらったフレーズや特段複雑なリズムを使用しない代わりに、どこか遠い記憶から聞こえてくるような馴染みのある憂いに満ちた旋律の数々。その響きは、現状の有様に疑念を持ち綿のように疲れた身体と心にすんなりと入り込み溶け合ってゆく。その心地良さたるや!
母なる海、WhyOceansはなんぴとたりとも拒みはしない。そこは人類の避難場所であり、再出発のためのカタルシスを得る共有空間。
窓を開けて風を呼び込んでみよう
その風に乗って海に飛び込むんだ
きっとまだ間に合うはずだから
2017年のポストロック界注目アルバムはアジア圏から、それもマカオからの登場となった。プログレ・ファンにも是非試してみて頂きたい。
マスタリングを手掛けたのはその手の音作りには定評があるMagnus Lindberg(EF、PG.LOST、ALCEST、A SWARM OF THE SUN、CULT OF LUNA等)。
アジアのバンドの音源が聴けるネットラジオ
「Cinta KecilのASIAN ROCK RISING vol.89」にて「Transparent People」を紹介。
YouTubeでの視聴は こちら。
2017年発表
特殊紙パッケージ
収録曲
01.Another Wind 4:17
02.Transparent People 10:20
03.Inmost Dens Of Emilie Part I 10:34
04.Farewell To My Urban Life 7:22
05.Chasing Palace 9:14
06.Inmost Dens Of Emilie Part II 10:12
「Farewell To My Urban Life」以外はインストゥルメンタル。
サンプル動画は「Farewell To My Urban Life」のPV。
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