IN MEMORIAM "Comeback To Life"

IN MEMORIAM "Comeback To Life"

販売価格: 1,700(税込)

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商品詳細

ロックなのか、メタルなのか、ジャズなのか、ゴシックなのか、シンフォなのか……そんなジャンルなど、たいした意味も持たない。
暗黒奇術楽団が放つ歪な悪夢。

2009年リリースの2ndアルバム。

収録曲
01.Selamat Datang (Intro) 0:48
02.Comeback To Life 3:58
03.Slave of Sin 3:44
04.Between The Races 4:24
05.Land Of Living Dead 4:10
06.Raging Earth 4:05
07.Years Of Griefs 3:36
08.30 6:36
09.Her Happiness Is Violently Dancing On His
10.Unpredictable Ruins 4:02
11.God Putrid Gift 6:07
12.War's Stigma 4:03
13.Spirit Inside 5:14
14.The 9 th 5:54

以下はFM yokohamaの番組『ROCK DRIVE』のブログ内コーナー「アジアン・ロック通信」用に書いた文章です。
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連城三紀彦原作の「棚の隅」という映画を見ていたら、私が幼少の頃に何度か訪れた遊園地のひとつ、多摩テックが舞台の一場面として登場していた。

ちょっとした郷愁に駆られ、遊びに行こうと思ってはみたものの、この多摩テックは昨年閉園してしまっており、すでに時遅し。聞けば、近年は日本各地の遊園地やテーマ・パークが閉園しているようだ。ひょっとしたら、今ここに目を通したあなたの地域にも、閉園してしまった遊園地があるかもしれない。様々な事情があるにせよ、驚きと喜びを与えてくれる場所が減っていくのは、非常に残念でならない。

なんとか音楽だけでも遊園地のようなわくわくするようなエンターテインメントを!

ということで、今回はインドネシアのIN MEMORIAMが2009年にリリースした2作目のアルバム『Comeback To Life』です。もう、ジャケットのアートワークからして遊園地そのもの。意味ありげな顔の道化師がIN MEMORIAMという遊園地に誘っています。せっかくですので、少し立ち寄ってみましょう。

古風な遊園地から聞こえてくるような、おどけたイントロに気を許していると、ファンク、メタル、シンフォ、ゴシック、ジャズ等の要素を取り入れて、騒々しくも怪しく展開していく摩訶不思議な音が襲いかかってきて、口をあんぐり。

一般的にはプログレッシヴ・メタルなんて呼ばれいるようだが、所謂、DREAM THEATER系とはまったく関係なく、もっと歪な形。コミカルなフレーズになっても、なぜか騙されているようで安心できず、パンキッシュな破壊的部分と荘厳さの矛盾する組み合わせに翻弄され、計算された狂気に少しずつ犯されていく。さらに、最初から最後までミステリアスかつ、ダークな雰囲気に支配されているもんだから、サーカスのテント小屋で暗黒奇術を見せられているような感覚にすらなってくる。

ハメられた。なんだか嫌な悪夢を見せられた気分だ。とても子供が楽しめる類の遊園地じゃないじゃないか!

ということで、ジャケットに描かれた道化師と遊園地について「音楽と見事にリンクしていて素晴らしいね」と、キーボーディストのRaynoldに伝えると、「サーカスやカーニヴァルが持っている多彩さをIN MEMORIAMというバンドは持っていて、道化師はそこで起きる愉快な事柄の象徴なんだ。俺たちはメタルとは違ったスタイルで曲作りを行っているけど、最終的にはそれをメタルというスタイルを通して表現している。新しいメタルの方向性を創造したような気持になっている」と、話してくれた。自分たちでもサウンドの多様性というのは意識しているようだが、私に言わせれば、ジャケットに描かれた道化師の持つイメージは、彼らのダークな音楽性も含めて、愉快というより、スティーヴン・キングの「IT」に登場するようなあっち系の恐怖の存在であって、甘い言葉に誘われて取り返しの付かない世界に連れて行かれる感じだ。

6年振りにリリースされたインドネシアのプログレッシブ・メタル・バンド、IN MEMORIAMのセカンド・アルバム『Comeback To Life』は、普通に飽き足らない好奇心旺盛な大人為の遊園地であり、プレイ・ボタンを押す度に、彼らは暗黒奇術楽団として悪夢のようなショウを見せてくれるのである。
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