HUMANFOLK "Humanfolk"

HUMANFOLK "Humanfolk"

販売価格: 1,800(税込)

商品詳細

フィリピンのジャズ界ではつとに有名なJohnny Alegreを中心に、フリージャズでその名を馳せるSusie Ibarra、さらにCynthia Alexander、Malek Lopez、Roberto Juan Rodriguez、そしてピノイ・プログレの雄、FUSEBOXXからAbby Clutarioが加わったエスニック・フュージョンなプロジェクト。ただし、尖った部分はなく、バンド名からイメージできるような深みと温もりのあるサウンドで包み込んできます。

2011年リリース。

収録曲
01.Para Sa Tao 7:38
02.Humanfolk-1 3:11
03.Ethnic-HF1 2:54
04.Humanfolk-2 5:04
05.Humanfolk-3 3:03
06.Ethnic-HF3 3:11
07.Humanfolk-4 4:18
08.Humanfolk-5 2:48
09.Humanfolk-6 4:53
10.bon Talk 5:27
11.Para Sa Tao(radio edit) 3:29

以下はFM yokohamaの番組『ROCK DRIVE』のブログ内コーナー「アジアン・ロック通信」用に書いた文章です。
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いつの間にやら水はお店で買うことが普通となり、空気清浄機が売れ続ける世の中になってしまった。細かな原因や事例を挙げるまでもなく、そのほとんどは、国や民族間の争い、そしてその人類のみの利益、発展を追求したことによる。この地球上には人類以外にも多くの生命が共存しているのだが、公害は止まることを知らず、生態系に大きな影響を及ぼしている。

さて、今回ご紹介するのはフィリピンのジャズ・ギタリスト、Johnny Alegreを中心としたプロジェクト、HUMANFOLKの2011年のデビュー・アルバム『HUMANFOLK』だ。

まず、この作品に関わったメンバーが凄い。エスノ系、そしてアヴァンギャルド・ジャズのパーカッショニストとしてその名を馳せるSusie Ibarra、彼女の夫でラテンやクレツマーの要素を取り入れたジャズ・ドラマーのRoberto Juan Rodriguez。さらに、サウンド・デザイナー、エレクトロ系ミュージシャンとして有名なMalek Lopez、シンガー・ソングライターで多彩な楽器を操るCynthia Alexander、フィリピンのプログレ界を支えるFUSEBOXXのAbby Clutario。現在、住んでいる国や演奏する音楽はバラバラだが、その筋では著名なフィリピン系のミュージシャン達ばかりが参加した、言ってみればスーパー・プロジェクトである。

もとはと言えば、Johnny AlegreとSusie Ibarraとのちょっとした共同記録だったようだが、次第に、上記のミュージシャン達が入れ替わり参加して一枚のアルバムを作り上げたという。作曲作詞を手掛けるのはJohnny Alegreだが、お分かりの通り、普段彼らが活動している場所は別の世界である。二人が最初に行ったことは、フォーク・ギターやゴング等のアコースティック楽器を使用して演奏をする中から互いに信頼できる共通点を探っていく作業だったと言う。それを基盤として、多種多様多彩なミュージシャン達がカホン、ベース、ギーボード、チャップマン・スティック、ガンサ、シンセ、クリンタン、トンガトン、レイン・スティック等を駆使しながら、エスニック・フュージョンとも言える世界を構築している。しかし、一曲、現代フィリピンのアルファベットのルーツとなった古典的なタガログ語のアルファベットを使用した5ビートのフォーキーでポップな曲「Para Sa Tao」が収められている。Johnny Alegre曰く、この“HUMANFOLK”に込めた意味は、“アジア人であり、フォークをルーツとして持っているがそれは現代の都会的なものである”という。まさにこの言葉通りの音が本作には込められている。

この『HUMANFOLK』はその功績が認められ、フィリピンのレコード業界から「Best World Music Recording」という賞を与えられた程だ。

Johnny Alegreは住む世界の違う音楽家を集め、古来からあるものと現代的なテクノロジー、そして民族としてのルーツを保ったまま都会的なアレンジを行い、互いが心地よく収まりの良い場所を見つけることに成功した。彼はアーティスティックな試みとしてこのHUMANFOLKを続けているが、彼の行っている実験は、人類がとるべき道、地球上の生物が上手く共存できるその方法を示唆しているともいえる。

なお、夕暮れ時に舞う鳥達とそれを追いかける子供たち。この郷愁を呼び起こすアルバムのアートワークには、「人類と自然の繋がり、そして自然界と現代社会の繋がりが描かれている」とJohnny Alegreは話してくれた。
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