LORD SYMPHONY “The Lord's Wisdom”
LORD SYMPHONY “The Lord's Wisdom”
販売価格: 1,600円(税込)
商品詳細
“Epic Wayang Metal”を確立したインドネシアのパワー/スピード・メタル・バンド、LORD SYMPHONY。彼らが二枚目のフル・アルバムとして送り出してきたのはデビュー以前に制作され、国内のファンに支持されたデモ音源のリメイク。 今作ではジャワの伝統音楽を大胆に取り入れた“Bharatayudha”シリーズとはまた違ったストレートなエピック・メタルを展開(9曲目のDown to Holylandを始め、若干インドネシア的な要素を取り入れた曲もあり)。80年代から90年代に登場、現在まで連綿と続くパワー/スピード・メタルの基盤を作り出した先達のノウハウを大胆に取り入れながらも、インドネシア人特有の熱血プレイでLORD SYMPHONY独自の世界へとグイグイ引きずり込む。
2014年発表。
収録曲
01.Prelude: Enter the... 0:45
02.Gate of Lord 4:43
03.Devil's Emotion 6:26
04.Mirror 8:48
05.Earth Beneath the Sky 7:25
06.Magic Knight's Destiny 8:13
07.Save the Universe 6:24
08.Interlude: Moment of Silence 2:19
09.Down to Holyland 3:45
10.Eleven Keys 7:58
11.Key to Heaven 6:42
アジアのバンドの音源が聴けるネットラジオ
「Cinta KecilのASIAN ROCK RISING vol.83」にて紹介。
YouTubeでの視聴は こちら。
以下はFM yokohamaの番組『ROCK DRIVE』のブログ内コーナー「アジアン・ロック通信」用に書いた文章です。
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80年代から90年代にかけてパワーメタルのひとつの形を築いたHELLOWEENやGAMMA RAY、STRATOVARIUS、ANGRA、そしてシンフォニックな要素を加味したRHAPSODY等の存在は世界中に多大な影響を与え、新たな世代のバンドを次々と生み出している。当然のことながら、そのようなバンドは当然アジア圏にもおり、これまでもいくつかご紹介してきたが、今回取り上げるのはインドネシアのLORD SYMPHONYだ。
以前こちらでも紹介したアルバム『Bharatayudha Part 1』(2010)はそのタイトルが示すように世界三大叙事詩として知られる“MAHABHARATA”から“Bharatayudha”のパートをテーマに取り上げて制作された作品で、英語のみならず、インドネシア語、ジャワ語、そしてジャワの伝統音楽を取り上げた、一種、プログレッシヴともいえる作風のメロディック・パワー/スピード・メタルで、マニアの注目となった。
その『Bharatayudha Part 1』を発表した直後に、バンド側が抱いている将来の計画を尋ねたことがあるが、『Bharatayudha Part 2』の制作の話と共に、「バンドがデビュー・アルバム以前に発表した『The Lord’s Wisdom』というデモを、例えばTommy Hansenのようなエンジニアを起用してより良い作品に仕上げて2012年頃に再発したい」。と語ってくれていた。
その後二つのシングルを挟み、約4年の歳月を経て『The Lord’s Wisdom』が届けられることになったのだが、結局のところ、録音やミキシング、マスタリングなどはインドネシア国内で行われた作品となった。その理由は大きく二つあり、ひとつはヴォーカリストが交替したこと、そしてもうひとつは制作資金繰りの問題ということだったらしい。実際、バンドのマネージャーはTommy Hansenを始め、数名の著名なエンジニア兼ミュージシャンに連絡を取っていたのだが、今作では叶わなかった。
確かに、2007年に発表された『The Lord’s Wisdom』というデモはバンドにとって、 “インドネシアにメロディック・パワー/スピード・メタル健在なり!”を知らしめた作品としては重要ではあったと思う。ただ、母国の伝統様式を取り入れたデビュー・アルバム『Bharatayudha Part 1』とは違い、よりストレートなスタイルで且つ、先達の影響が色濃く反映され過ぎている気もしていたので、自己の個性を瞬く間に築き上げることができたLORD SYMPHONYが、この昔の作品をここで再度発表するのは少し解せなかった。その部分も尋ねてみたが、「ジャワの伝統様式を取り入れたものを誰もが好むかといったら、そういうわけでもないだろう。もともと、インドネシアのファンの間では『Bharatayudha Part 1』以前に、このデモをより良いプロダクションで聴きたいという希望があった」。と、その理由を説明してくれた。
このような流れで発表されることとなった『The Lord’s Wisdom』。収められている楽曲の大半は2007年前後に書かれたものだ。よって、新作であっても純粋な新曲ではない。ただ、デモ時代から応援していた熱烈なファンも新鮮な気持ちで楽しめるような新しいアレンジが各曲に施されいること、より結束が強くなったメンバー間の繋がりがサウンドに顕著に表れている。そして、もうひとつ大きな違いは、ヴォーカル。前任のGlennはどちらかと言うとクリーンなハイトーンだったが、2012年に加入したArif Hartoyo(Monk Bhodi)は同じくハイトーンも操るが、よりハスキーで少しばかり粗いタイプ。LORD SYMPHONYというバンドはヨーロッパのパワー・メタルに影響を受けてはいるが、あくまでもインドネシアのバンドだ。よってきらびやかとか透明感ではなく、南半球独自の情熱迸る演奏が特徴のひとつであり、この後任ヴォーカルのスタイルはLORD SYMPHONYのサウンドをより熱いものにしている。とくに、オールド・スクールな要素が詰まっている今回の楽曲にはヘヴィ・メタルがヘヴィ・メタルであったあの頃を彷彿とさせる大きな強みとなっているのは間違いない。
ひょっとしたら、『Bharatayudha Part 2』を期待していたファンは少し肩すかしを食らったかもしれない。けれども、『Bharatayudha Part 2』の前に『The Lord’s Wisdom』を聴くことによって、彼らの原点、根幹の一部がより明確になるだけではなく、彼らのピュアでとんでもなく熱い演奏にヘヴィ・メタルの持つ魅力を再確認できるはずだ。
今後は2015年辺りを目安に、『Bharatayudha Part 2』の前にもう一枚別のアルバムを企画しているという。一体どういうコンセプトの作品なのかとても興味深いが、まずは、多くのファンのサポートが必要不可欠であり、サポーするだけの十分な魅力があるバンドである。
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2014年発表。
収録曲
01.Prelude: Enter the... 0:45
02.Gate of Lord 4:43
03.Devil's Emotion 6:26
04.Mirror 8:48
05.Earth Beneath the Sky 7:25
06.Magic Knight's Destiny 8:13
07.Save the Universe 6:24
08.Interlude: Moment of Silence 2:19
09.Down to Holyland 3:45
10.Eleven Keys 7:58
11.Key to Heaven 6:42
アジアのバンドの音源が聴けるネットラジオ
「Cinta KecilのASIAN ROCK RISING vol.83」にて紹介。
YouTubeでの視聴は こちら。
以下はFM yokohamaの番組『ROCK DRIVE』のブログ内コーナー「アジアン・ロック通信」用に書いた文章です。
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80年代から90年代にかけてパワーメタルのひとつの形を築いたHELLOWEENやGAMMA RAY、STRATOVARIUS、ANGRA、そしてシンフォニックな要素を加味したRHAPSODY等の存在は世界中に多大な影響を与え、新たな世代のバンドを次々と生み出している。当然のことながら、そのようなバンドは当然アジア圏にもおり、これまでもいくつかご紹介してきたが、今回取り上げるのはインドネシアのLORD SYMPHONYだ。
以前こちらでも紹介したアルバム『Bharatayudha Part 1』(2010)はそのタイトルが示すように世界三大叙事詩として知られる“MAHABHARATA”から“Bharatayudha”のパートをテーマに取り上げて制作された作品で、英語のみならず、インドネシア語、ジャワ語、そしてジャワの伝統音楽を取り上げた、一種、プログレッシヴともいえる作風のメロディック・パワー/スピード・メタルで、マニアの注目となった。
その『Bharatayudha Part 1』を発表した直後に、バンド側が抱いている将来の計画を尋ねたことがあるが、『Bharatayudha Part 2』の制作の話と共に、「バンドがデビュー・アルバム以前に発表した『The Lord’s Wisdom』というデモを、例えばTommy Hansenのようなエンジニアを起用してより良い作品に仕上げて2012年頃に再発したい」。と語ってくれていた。
その後二つのシングルを挟み、約4年の歳月を経て『The Lord’s Wisdom』が届けられることになったのだが、結局のところ、録音やミキシング、マスタリングなどはインドネシア国内で行われた作品となった。その理由は大きく二つあり、ひとつはヴォーカリストが交替したこと、そしてもうひとつは制作資金繰りの問題ということだったらしい。実際、バンドのマネージャーはTommy Hansenを始め、数名の著名なエンジニア兼ミュージシャンに連絡を取っていたのだが、今作では叶わなかった。
確かに、2007年に発表された『The Lord’s Wisdom』というデモはバンドにとって、 “インドネシアにメロディック・パワー/スピード・メタル健在なり!”を知らしめた作品としては重要ではあったと思う。ただ、母国の伝統様式を取り入れたデビュー・アルバム『Bharatayudha Part 1』とは違い、よりストレートなスタイルで且つ、先達の影響が色濃く反映され過ぎている気もしていたので、自己の個性を瞬く間に築き上げることができたLORD SYMPHONYが、この昔の作品をここで再度発表するのは少し解せなかった。その部分も尋ねてみたが、「ジャワの伝統様式を取り入れたものを誰もが好むかといったら、そういうわけでもないだろう。もともと、インドネシアのファンの間では『Bharatayudha Part 1』以前に、このデモをより良いプロダクションで聴きたいという希望があった」。と、その理由を説明してくれた。
このような流れで発表されることとなった『The Lord’s Wisdom』。収められている楽曲の大半は2007年前後に書かれたものだ。よって、新作であっても純粋な新曲ではない。ただ、デモ時代から応援していた熱烈なファンも新鮮な気持ちで楽しめるような新しいアレンジが各曲に施されいること、より結束が強くなったメンバー間の繋がりがサウンドに顕著に表れている。そして、もうひとつ大きな違いは、ヴォーカル。前任のGlennはどちらかと言うとクリーンなハイトーンだったが、2012年に加入したArif Hartoyo(Monk Bhodi)は同じくハイトーンも操るが、よりハスキーで少しばかり粗いタイプ。LORD SYMPHONYというバンドはヨーロッパのパワー・メタルに影響を受けてはいるが、あくまでもインドネシアのバンドだ。よってきらびやかとか透明感ではなく、南半球独自の情熱迸る演奏が特徴のひとつであり、この後任ヴォーカルのスタイルはLORD SYMPHONYのサウンドをより熱いものにしている。とくに、オールド・スクールな要素が詰まっている今回の楽曲にはヘヴィ・メタルがヘヴィ・メタルであったあの頃を彷彿とさせる大きな強みとなっているのは間違いない。
ひょっとしたら、『Bharatayudha Part 2』を期待していたファンは少し肩すかしを食らったかもしれない。けれども、『Bharatayudha Part 2』の前に『The Lord’s Wisdom』を聴くことによって、彼らの原点、根幹の一部がより明確になるだけではなく、彼らのピュアでとんでもなく熱い演奏にヘヴィ・メタルの持つ魅力を再確認できるはずだ。
今後は2015年辺りを目安に、『Bharatayudha Part 2』の前にもう一枚別のアルバムを企画しているという。一体どういうコンセプトの作品なのかとても興味深いが、まずは、多くのファンのサポートが必要不可欠であり、サポーするだけの十分な魅力があるバンドである。
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